近年の疫学調査から、 糖尿病は歯周病のリスクファクターであ ることが明らかとなり、米国では歯周病は腎症、網膜症、神経症、大血管障害、小血管障害に 次ぐ糖尿病の第6番目の合併症とされています。
歯周炎のリスクファクターはどれか?
最近の報告では、全身疾患や全身状態が宿主の免疫力(細菌と戦う力)に少なからず影響することが分かってきました。 つまり、免疫力を弱めるような全身疾患や生活習慣が歯周病のリスクファクター(危険因子)となりうるということです。
歯周病が影響を及ぼすと考えられる疾患はどれか?
炎症性物質は、血糖値を下げるインスリンの働きを悪くさせたり(糖尿病)、早産・低体重児出産・肥満・血管の動脈硬化(心筋梗塞・脳梗塞)にも関与しています。 また、歯周病菌のなかには、誤嚥により気管支から肺にたどり着くものもあり、高齢者の死亡原因でもある誤嚥性肺炎の原因となっています。
歯周病とはどのような疾患か?
歯周病とは、細菌の感染によって引き起こされる炎症性疾患で、歯の周りの歯ぐき(歯肉)や、歯を支える骨などが溶けてしまう病気です。 歯と歯肉の境目(歯肉溝)の清掃が行き届かないでいると、そこに多くの細菌が停滞し歯肉の辺縁が炎症を起こして赤くなったり、腫れたりしますが痛みはほとんどの場合ありません。
歯周病 全身疾患 なぜ?
歯周病が進行すると、歯と歯ぐきの間にある歯周ポケットが深くなります。 歯周ポケットの中は酸素の少ない嫌気的な環境なので、歯周病菌がどんどん繁殖するようになるのです。 その一部が血流に乗り、全身を巡ります。 そこから全身の病気への影響が始まります。