一般に、大腸がんが肝臓に転移している場合には、すでに末期がんであると認識されがちです。 しかし、肝転移部位をすべて切除できた場合には“治癒”できる可能性があります。 幸い肝細胞がんと異なり、転移性肝がんに肝硬変が合併していることは少なく、肝臓の約70%を安全に切除することが可能です。
大腸癌 肝転移 なぜ?
大腸がんが肝臓や肺に転移しやすいのは、大腸で吸収された栄養が、血液によって肝臓に運ばれるため、がん細胞も肝臓に運ばれやすいためです。 大腸からの血液が集まって肝臓へと注ぎ込む血管を門脈といい、大腸のがん細胞もこの門脈によってまず肝臓へと運ばれます。
肝臓がん 余命どれくらい?
肝切除術の治療成績は、平均して1年生存率が約90パーセント、3年生存率が約70パーセント、5年生存率が53パーセントです。 ステージが早期であればあるほど、この数値は上がります。 肝臓がんは他のがんと比べると、手術ができる段階でリンパ節転移することは非常にまれですので、リンパ節郭清は基本的に行われません。
肝転移の頻度の最も高い悪性腫瘍はどれか?
転移性肝がんのなかで最も頻度が多く、手術を行うことも多い大腸がん肝転移について説明します。 大腸がんに罹られた患者さんのうち、診断がついた時点ですでに肝転移を認める患者さんは約10%、また大腸がんに対して手術を行った後に肝転移を発症する確率は、切除した時の進行度にもよりますが、5〜30%とされています。
大腸癌はどこに転移するの?
がん細胞がリンパ液や血液の流れに乗って、別の臓器に流れ着き、そこで増殖することを転移といいます。 大腸がんでは肝臓や肺、リンパ節への転移が多くみられ、骨や脳など全身に転移することもあります。