肺気腫に限らず、多くの呼吸器疾患は、進行すると、体の中に酸素を十分得ることができない状態、呼吸不全を生じます。 呼吸不全とは、空気を吸入している時の、動脈血の酸素分圧(PaO2)が、60mmHg以下に低下した状態です。 (正常PaO2:80-90mmHg)。
肺気腫が進むとどうなる?
肺気腫になると肺胞が破壊され、その数が減り、肺がスカスカの状態になります。 正常な肺胞が減少し、呼吸面積が減少するため、肺でのガス交換に不都合が生じます。 なお、肺気腫の患者の多くは慢性気管支炎を伴っており、その場合「慢性閉塞性肺疾患(COPD)」という病名が付けられます。
肺気腫は進行しますか?
肺気腫はゆっくりと進行していき、一度壊れた肺の組織が元に戻ることはありません。 しかし、禁煙によって肺気腫の進行を遅くしたり、治療によって症状を和らげたりすることができます。
肺気腫になったらどうするの?
肺気腫になった場合の治療 肺気腫になってしまった肺は正常に戻ることはありません。 しかし肺気腫の場合、病気の進行を抑える処置が必要です。 喫煙者は、病気の進行を抑えるために禁煙が必要です! 自覚症状を軽くする治療としては、吸入用気管支拡張薬とテオフィリン製剤等もあります。
肺気腫で死にますか?
・厚生省の人口動態統計(1996)によると、COPDによる死亡者は、約1万2千人です。 また、65歳以上の慢性気管支炎および肺気腫による死亡率は約1万人となっています。