腹水は、腹部(胃や腸を包む腹腔)に体液が異常に蓄積すること、またはその体液を表します。 この余分に集積した体液は腹部を膨らませ膨張させます。 腹水の原因としては、門脈圧亢進、血漿浸透圧の低下、腹膜の炎症やがんなどがあります。
腹水がたまるとどんな症状がでるの?
中程度の量の腹水がたまると、胴回りの寸法と体重が増えることがあります。 大量の腹水は、腹部の膨隆と不快感を引き起こすことがあります。 腹部が張り詰めて、へそが扁平になったり飛び出たりすることさえあります。 腹部が膨張すると、胃が圧迫されて食欲不振になったり、肺が圧迫されてときに息切れを起こしたりします。
腹水の安楽な姿勢は?
【腹水が原因のときは】 できるだけ安楽な体勢が取れるよう、仰向けに寝た状態で、下肢を水平にしたまま上半身を30~45度程度上げた体位がよいとされます。 クッションや枕で頭の位置を高く保ち、折りたたんだバスタオルや薄いクッションなどで腰とマットレスとの隙間を埋めると、腰への負担を減らすことができます。
腹水の原因は?
腹水の原因は、大きく分けて、「がん性腹膜炎などによりお腹の炎症が原因で起こる場合」、「肝硬変、腎不全、心不全などの病気により血管内の浸透圧が低下し、血管に水分を保持できなくなった場合」があげられます。 お腹の中には、通常20~50ml程度の少量の腹水があり、腹膜で産生、吸収され一定量に調整されています。
腹水をほっておくとどうなる?
「腹水は一度に大量に抜くと血圧が下がり循環不全を起こして、ひどい場合はショック症状につながることもあります。 そのため、抜くとしても一度に1~2ℓの少量に限られます。