欧米でも産業革命の時に結核が大流行しました。 都市部の人口増加、労働過密、衛生環境の悪化が原因と考えられます。 その後、資本主義が成熟して労働環境・衛生環境が良くなったこと、そして結核の薬が開発されたために結核は減少しました。
結核 なぜ怖い?
いちばん怖いのは脳にくる場合です。 菌が血液の中に入って全身にばらまかれ(このような状態が「粟粒結核」です)、 脳を包んでいる膜(髄膜)にたどり着き、そこに病巣を作ることによって起こります(結核性髄膜炎)。 化学療法のない時代には粟粒結核や髄膜炎はただちに死を意味していました。
結核 なぜなくならない?
患者が減らない理由のひとつは高齢化だ。 日本と世界の結核対策を行う結核予防会結核研究所(東京都清瀬市)の加藤誠也副所長は「平成25年は患者の64・5%が65歳以上で、21・1%は85歳以上だった。 高齢化社会に伴い、感染者も高齢化している」と解説する。
結核 どんな人がかかる?
結核にかかりやすい人とは? ○乳幼児 ○免疫力が低下している高齢者 ○免疫力が落ちている状態の人 (糖尿病や副腎皮質ホルモン薬内服者、低栄養状態の人など) ○胃を切除している人 ○慢性呼吸器疾患(肺気腫や肺炎など)を持っている人 ・・・・などが、発病しやすいとされています。
結核 何年で死ぬ?
患者さんが発病するとたちまち重症化したり、重病にならないと診断がつかない場合があります。 しかも、結核と診断されて治療を始めた人の約14%の患者さんがその後結核で命を落とし、そのうちの半分近くが診断後1年以内に亡くなっています(図3)。