脊髄くも膜下麻酔は、「脊椎麻酔」、「腰椎麻酔」とも呼ばれ、帝王切開ではもっともよく用いられる局所麻酔の方法です。 この方法では背中の腰のあたりから脊髄くも膜下腔という場所(Q3「局所麻酔とはどのような方法ですか?」 を参考にしてください)に薬を投与します。
脊髄くも膜下麻酔 どこ?
脊髄は脊柱の中でさらに硬膜およびクモ膜という膜に包まれて保護され,その中から神経の枝を身体中に伸ばしています。 脊髄とクモ膜の間にはクモ膜下腔と呼ばれる脊髄液が入っている場所があります。 脊髄くも膜下麻酔 は,背骨と背骨の間から細い注射針でクモ膜下腔に局所麻酔薬を注入し,脊髄からでる神経を一時的にしびれさせる方法です。
腰椎麻酔 どこ?
脊椎麻酔(腰椎麻酔)(下図参照) 腰部から針を刺し、背骨の中の脳脊髄液の中へ麻酔薬を注射して、みぞおちあたりからお尻・足までしびれさせる方法です。 下腹部から足の手術に用いることができます。 あまり長時間の手術には適しません。
硬膜外麻酔 どこに入ってる?
硬膜外麻酔は、脊椎(背骨)の中にある脊髄のすぐ近くの硬膜外腔という場所に、 麻酔薬をいれて、手術部位の痛みを無くす、あるいは軽くする麻酔法です。 手術をする所に合わせて、背中のどこから麻酔薬をいれるかを決め、カテーテルという細い管をいれます。 このカテーテルから麻酔薬をいれて麻酔を行います。
脊髄麻酔どこ?
この2つの違いは薬を注入する場所の違いで、脊椎麻酔は背骨の中を通っている脊髄のすぐ近く(くも膜下腔といいます)に薬を注射します。 一方、硬膜外麻酔は脊髄を覆っている硬膜の外側に麻酔薬や細いカテーテルを入れる方法です(図1)。