医師も患者さん・ご家族ともにこの落とし穴によく落ち込みます。 実は、モルヒネは、必要なとき、いつから使い始めてもかまわないのです(*1)。
モルヒネを使う時はどんな時?
がんによる様々な痛みで通常の痛み止め(主に消炎鎮痛薬)が無効、あるいは効果不十分な場合、世界標準的な鎮痛薬としてモルヒネが推奨されています。 医学的適応があれば、がんの病状の進行具合にかかわらず、躊躇(ちゅうちょ)なくモルヒネで痛みを最小に抑え、より良い生活の維持を目標にします。
モルヒネはいつから?
アヘンからモルヒネが初めて精製されたのは19世紀初頭、ドイツの薬剤師フリードリヒ・ゼルチュルナーによる。 1853年に皮下注射針が開発されると、以降モルヒネは優れた鎮痛薬として普及した。 ちなみにモルヒネの名付け親はゼルチュルナーで、ギリシャ神話に登場する夢の神モルフェウス(Morpheus)に由来する。
モルヒネの効き目は?
オピオイド鎮痛薬として、おもに鎮痛目的で用いられています。 医療用麻薬でもあり、その鎮痛作用は強力です。 とくに持続する鈍痛に効果が高く、一般的な鎮痛薬が効きにくい内臓痛をはじめ、各種がん痛や手術後にも適応します。 有効限界がないのも特徴で、より強い痛みに対しては用量を増やすことで対応可能です。
モルヒネ 1日何回?
5mg、10mg、20mg、40mgの錠剤がありますが、すべて小さな剤形のため服用が容易です。 効果は12時間持続するため、通常1日2回服用します。