原発巣で大きくなったがんの固まりは一様ではなく、その中には高い運動能力や周りの組織を破壊する能力（細胞の移動を妨げるがんの周りのコラーゲンなどの繊維組織を分解する酵素を作り分泌する能力など）をもった一群の細胞がいます。 これらの細胞が周囲へ浸潤して血管壁に近づき、血管内に侵入します。
がん細胞 なぜ増殖するのか？
細胞増殖因子の中で代表的なのが血管内皮細胞増殖因子（VEGF）で、周囲の血管、とくに毛細血管を作る血管内皮細胞に働きかけます。 すると血管内皮細胞は急激に増殖を始めます（血管新生）。 そしてがんは新しい血管を呼び込み、十分な酸素と栄養をもらい一気に大きくなります。
癌の転移先は？
転移先として多いのは、原発巣の近くのリンパ節。 次に多いのが、左右の肺を隔てている縦隔と呼ばれる組織のリンパ節です。 そのほかに、肝臓、骨、脳、副腎などで遠隔転移を起こしやすいとされています。
癌の転移形式は？
癌が転移する4つのパターン そもそも、癌の転移には「血行性転移」「リンパ行性転移」「播種性転移」「浸潤」の4つのパターンがあります。 血行性転移やリンパ行性転移は、先程ご紹介した、血液やリンパ液に乗って全身へと癌細胞が移動する転移です。
がんとは何なのか？
がんは、正常な細胞の遺伝子が傷ついてできた異常な細胞が、無秩序に増え続けて発生する病気です。 「悪性腫瘍」とも呼ばれることがありますが、まず「腫瘍」とは細胞のかたまりのことです。 正常な細胞は、体や周囲の状態に応じて、増えたり、増えることをやめたりします。
