心臓は微弱な電気信号により規則正しい脈拍を保っていますが、狭心症や心筋梗塞、心不全、虚血性心疾患などが原因で電気信号に異常が起こると頻脈などの不整脈が発生します。 心疾患以外にも、高血圧、糖尿病、甲状腺疾患などで起こるほか、疲労の蓄積やストレス、飲酒・喫煙、睡眠不足などが原因で起こることもあります。
頻脈だと何が起こる?
頻脈性不整脈(以下、頻脈)は、脈が速くなる不整脈で、頻脈が起こると1分間の脈拍が400回を超えることもあり、心臓がドキドキする、めまい、立ちくらみ、さらには失神、けいれんといった自覚症状があり、一部の頻脈では死に至ることもまれではありません。
どこからが頻脈?
成人の安静時の脈拍数は50~100回/分で、通常規則的に一定の間隔で触知します。 これを整脈といいます。 脈拍が50回/分未満を徐脈(脈が遅い)、101回/分以上を頻脈(脈が速い)といいます。
脈が早くなるのはなぜ?
安静時の洞性頻脈は、精神的緊張や過度のストレス、睡眠不足などで起こります。 ただし、心臓の機能が弱った重度の心不全の方、甲状腺ホルモンが過剰に出てしまう甲状腺機能亢進症(バセドウ病)の方、他の病気(呼吸不全、感染症など)で脈が速い方はそれぞれに合った治療が必要になります。
頻脈が続くとどうなるか?
頻脈が続くと、心不全をおこしやすくなったり、また、心房内に血液がたまるので、血栓(血液のかたまり)ができやすくなります。 血栓が脳にめぐって、脳梗塞の原因となることがあるので、血栓をつくらない薬を使います。