受精卵は子宮内膜に付着すると、絨毛組織を内膜に伸ばして、胎盤をつくり始めます。 そのとき、子宮内膜の血管が壊されるので、出血が起き、血腫ができることがあります。 その血が子宮の外に出てくるとママにもわかり、出血したときに出るプロスタグランジンという物質がおなかの張りや腹痛を起こします。
絨毛膜下血腫の原因は?
(1)絨毛膜下血腫(表19) ○原因の詳細は不明であるが,絨毛が脱落膜に侵入する際,血管を傷害して血腫ができ,部分的に絨毛膜が剝離した病態と推測されている. ○頻度は4~22 %と報告され,報告によりかなり相違がみられる. 定義,診断時期,人種,使用した超音波装置によって異なる.
絨毛膜下血腫 いつできる?
絨毛膜下血腫は妊娠初期に発症し、ほとんどの場合は妊娠中期までに自然消滅します。 出血の量は、血腫ができる場所が影響し、子宮口近くに血腫ができると出血量が多くなります。 生理のときの出血量よりも少ない程度であれば、診察時間外に受診する必要はありません。
絨毛膜下血腫の頻度は?
絨毛膜下血腫は、妊娠初期や中期にみられる胎嚢の周りにみられる血液が溜まった部分のことを言います。 不正性器出血で気づき、超音波検査で診断がつきます。 報告によりますが、全妊娠の0.5%から22%ぐらいの頻度であるようです。 多くの場合が、安静などの自然経過で改善します。
絨毛膜下血腫の治療法は?
基本的には、安静にして血腫が大きくならないようにし、また、子宮の収縮があれば子宮収縮抑制剤を、炎症があれば抗菌剤を投与されます。 いま、3cmほどの血腫で大きさは変わらず、出血もないとのことですので、このまま自然に血腫が吸収されていくのを経過観察している状況と考えます。