栄養状態が悪化すると筋肉や脂肪組織をエネルギー源として利用しますので、低栄養状態が長く続くと筋肉や脂肪組織が減少し、骨が突出して褥瘡発症の危険性が高くなります。 さらに栄養状態の悪化によって浮腫(むくみ)が起こり、血行が悪くなり、褥瘡発症の危険性が高くなりますし、既にある褥瘡の治癒も遅くなります。
褥瘡 湿潤 なぜ?
通常、浸軟は可逆的な変化であるため元の状態に戻ります。 しかし皮膚の浸軟状態が持続すると、細胞と細胞の間を結び付けている構造が崩れ、少しのずれや摩擦で皮膚損傷が起こりやすくなり褥瘡発生リスクを高めます。
浮腫 清潔なぜ?
浮腫によって皮膚や粘膜は薄く伸展し、傷つきやすくなります。 また、組織の酸素不足で免疫力が低下するため、感染を起こしやすくなります。 このような状態の時に注意することは、皮膚を清潔に保ち、感染予防のために皮膚を保護することです。 清拭(せいしき)を行う際には、強い力で拭きすぎないように注意しましょう。
浮腫 保湿 なぜ?
先ほども述べたように、リンパ浮腫によりむくんでいる皮膚が薄くなってしまい、皮膚のやわらかさが低下し硬さが増してしまいます。 さらには、水分を保てなくなることで乾燥が生じます。 そこで、皮膚を清潔に保ち、湿潤環境を保つことで、乾燥を予防し皮膚が働きやすい状態をお手伝いしてあげることが大切になります。
なぜ褥瘡が出来るのか?
褥瘡(床ずれ)は、皮膚の同じ部分(特に骨が突出している部分)への圧迫が持続することで起こります。 ベッドのマットや布団、車いすなどにより外から圧迫を受けると、体の中では皮膚や皮下脂肪、筋肉などを押しつぶそうとする力、左右に引っ張ろうとする力などがかかります。