湿潤療法のメリット ~湿潤療法は傷が早く治る~ 傷の表面に白血球が集まりやすく、細菌への抵抗性が上る。 傷の表面が乾燥すると痛みがでるが、湿らせているので痛みが出にくい。 密閉されているので、傷のある部分の水につけることが出来る。 創傷被覆材はガーゼのように傷にくっつくことがないので、交換するときの痛みが少ない。
創傷治癒 湿潤環境 なぜ?
なぜ、湿潤状態のほうが創は早く治るのでしょうか。 それは、創部の滲出液には各種の細胞増殖因子が豊富に含まれているからです(表3)。 創面からの滲出液が除去されないで保持された湿潤環境下では、真皮側の線維芽細胞、コラーゲンの増生が起こり良性の肉芽組織が形成されていきます(図8)。
湿潤療法 いつから?
1980年代より、湿潤環境を保ち傷を治すという概念はすでに存在していた。 しかし全世界的に普及はしておらず、日本国内でもガーゼを伴う治療法が主流であり続けた。 しかし、ようやく2001年ごろから形成外科医の夏井睦をはじめ、賛同する医師らによって急速に普及が図られている。
湿潤療法 いつまで貼る?
いつまで貼り続ければいいのですか? キズ口から体液が出てこなくなり、新しい表皮の形成が認められるまで貼ってください。 (1枚のものを貼り続ける必要はありません。 キズ口から体液が漏れてきたり、パッドが汚れたり異物や水等が入り込んだ場合は新しいものに交換するようにしてください。)
創傷 湿潤 なぜ?
傷を受けると浸出液が出るとともに創表面の細胞は乾燥壊死にいたります。 この浸出液および表面細胞の乾燥化によってできたのが痂皮です。 外界との間に痂皮ができると、痂皮の下に浸出液が溜まり、内部環境は湿潤に保たれます。 このように痂皮は内部の細胞が生き延びるために我が身を削って作った角質層とも言えます。