・ 手術部位の痛みにより呼吸は浅くなり、特に下部の肺が十分に拡がりきらず呼 吸機能が低下する恐れがあります(無気肺)。 ・ 麻酔や安静に寝ていることは肺容量の減少を まねき、気道を閉塞しやすくします。 また、 麻酔をかけたとき肺に酸素を送る管を口から 入れることで、気管支に刺激を与え、痰が溜 まりやすくなります。
術後 呼吸抑制 なぜ?
術後呼吸抑制の原因としては、薬剤性の抑制と筋弛緩薬による呼吸筋の筋力低下が挙げられます。 前者には吸入麻酔薬や鎮痛・鎮静薬が関与します。 吸入麻酔薬は換気量の現象と呼吸回数の増加が特徴であり、鎮痛・鎮静薬による呼吸抑制は呼吸回数の減少が特徴的です。
呼吸機能低下の術後合併症は?
術後呼吸器合併症には、主に低酸素血症、無気肺、肺炎が挙げられます。 低酸素血症:動脈血液中の酸素が低下している状態のことで、PaOが60Torr以下の状態をいいます。 肺胞低換気、換気血流比の不均衡、肺内シャント、ガス交換障害が原因として考えられます。
術後 無気肺 リスク いつまで?
無気肺は呼吸困難などの症状が現れますが、無気肺の状態が長く続くと肺炎を合併するようになります。 気道分泌物が気管支内に長時間貯留することで、細菌が繁殖して、肺炎を発症するのです。 手術後の無気肺は術後3日以内に発症し、肺炎はそれから少し遅れて術後1週間以内に発症しやすいとされています。
手術後の呼吸法は?
腹式呼吸練習は、手術後に呼吸が浅くならないようにするリハビリテーションで、鼻から息を吸いながらお腹を膨らませ、ゆっくり口から息を吐きながら腹部を凹ませます。 自己排痰法は、安静呼吸と深呼吸、息を大きく吸った後に口を開いて「はっ」と強く短く息を吐き出すハフィング、咳を意識的に繰り返す方法です。