手術後は口の中が汚れて細菌が繁殖しやすく、また治療に伴い免疫力(抵抗力)が低下するため、誤嚥性肺炎を発症しやすくなります。 30万件の手術報告では、手術後に1%の患者さんに誤嚥性肺炎が発生し、約4分の1が死亡したと報告されています。
誤嚥性肺炎はなぜ起こるのか?
誤嚥(ごえん:食べ物や唾液が気道に入ること)がきっかけになって、主に口の中の細菌が肺に入り込んで起こる肺炎で、他者から感染するのではありません。 誤嚥を起こしやすいのは、食事のときです。 なお、睡眠中などでも、唾液が肺に流れ込んで起きることもあります。
誤嚥性肺炎 何時間後?
誤嚥をしてから肺炎発症までの潜伏期間は6~44時間となっており、ケースによってばらつきがありますが、胃の内容物による誤嚥の場合、嘔吐から約12時間で肺炎を発症します。 食べ物の消化にかかる時間は平均3時間、早くても1.5時間程度かかるので、食後1~2時間は身体を起こしておくと、胃からの逆流を防げます。
誤嚥性肺炎になるとどうなる?
一度誤嚥性肺炎を起こすと、気道粘膜はなかなか完全には回復しません。 そして粘膜の感覚が鈍くなってしまい、誤嚥しても咳が起こりにくくなり、食物を有効に排泄できないためますます肺炎の危険が増大する、という悪循環が起こります。
誤嚥性肺炎を繰り返すとどうなる?
そのため体力や栄養状態の低下が生じやすくなります。 また再発を繰り返しやすく、繰り返す抗菌薬治療により、抗菌薬に抵抗性の耐性菌が発生し、体力の低下、呼吸状態が悪化して、予後不良となる場合も少なくありません。