ただ、2017年に無痛分娩の事故が相次いで報道されました。 これは関西の産婦人科で発生した事故で、母体が死亡したり、深刻な後遺症を残したりといった結果になりました。 原因は、麻酔のチューブが誤った場所に入っていることに気付かず、麻酔薬を注入してしまったことにあると考えられます。
無痛分娩 なぜ危険?
①分娩時のデメリット 無痛分娩のデメリットとして、分娩所要時間が長くなることが挙げられます。 また、麻酔薬の影響で陣痛が弱くなることで、分娩の進行が遅れ、陣痛促進剤を使用しなければならなくなったり、鉗子分娩や吸引分娩が必要になったりすることがあります。
無痛分娩の死亡リスクは?
2010年からの6年間で、日本産婦人科医会に報告された妊婦の死亡例は277件で、そのうち14件が無痛分娩だったという。 これをもとに推計すると、無痛分娩で死亡する妊婦は10万人あたり4.9人だとして、妊婦全体の3.9人と比べ、「無痛分娩とそうではない分娩での死亡率に明らかな差は認められない」と結論づけた。
無痛分娩事故の病院名は?
医療事故が起こったのは2017年。 当時、O医師が経営する大阪府和泉市の「Oレディスクリニック」で、第2子を出産した長村千恵さん(享年31)が、無痛分娩中に呼吸困難に陥り、10日後に死亡したのです。
なぜ無痛分娩にしないのか?
日本で硬膜外無痛分娩が広まっていない最大の理由は、欧米と異なる日本の産科医療システムにあると考えられています。 診療科間の連携の良い欧米では、産科医、助産師、麻酔科医がチーム医療をしており、日本の病院の何倍もの出産数がある分娩施設では専門の麻酔科医がいて、広く硬膜外無痛分娩が行われています。