肺の表面をおおう胸膜に炎症が生じると、浸出液が肺内から胸膜を通り抜けて胸腔内へ移動し、胸水が生じます。このために胸痛や呼吸困難などの症状が現れる疾患を胸膜炎といいます。 原因としては感染症や悪性腫瘍が多く(表1)、罹患率は地域により異なります。
胸膜炎とはどのような病気ですか?
胸膜炎とは、肺を包む膜である胸膜が炎症を起こして、肺の外側に水(胸水)がたまった状態です。 胸膜炎は肺炎や肺結核などの感染症で起きるものが主ですが、リウマチなどの膠原病、あるいは肺がんなど感染症以外の原因で起きることも少なくありません。 胸膜に炎症が起きると、胸膜に分布する神経を刺激して胸の痛みを感じることが多いです。
胸膜炎の原因菌は?
ウイルス感染症 ウイルス感染によって起こった肺炎が胸膜に及ぶことで発症します。 発熱や強い胸の痛みを伴うのが特徴です。 おもに「コクサッキーウイルス」などが原因で起こることが多いですが、季節性の「インフルエンザウイルス」などでも起こることがあります。
肋膜とはどういう病気ですか?
肋膜(ろくまく)というのは、ズバリ「結核」のことです。 結核は昔、肋膜、瘰癧(るいれき)、肺浸潤などと呼ばれていました。 そもそも結核の語源は、7世紀の中国に頸部リンパ節が累々と腫大している状態を見て、「果物の種(核)が連なっているようだ」と表現したことが由来だという説があります。
胸膜炎は何科?
胸膜炎は何科を受診する? 胸膜炎の疑いがある場合、呼吸器内科を受診しましょう。