胸水は、壁側胸膜から産生され臓側胸膜から吸収されていますが、吸収が減少したり産生が増加したりした場合には、胸水貯留(胸に水がたまった状態)になります。
胸水貯留の原因は?
滲出性胸水の原因としては、感染(細菌、結核など)、肺がんや胸膜に発生する悪性中皮腫といった腫瘍、関節リウマチなどの膠原病などによる胸膜炎があります。 通常は片側性で、悪性の場合は血性になることが多いです。 漏出性胸水は、心不全、肝硬変、ネフローゼ症候群,腎不全などでみられ、肺の病気以外が原因のことが多いです。
胸水 どこの水?
漢字では“胸の水(むねのみず)”となっていますが、単純な水ではありません。 通常透き通った黄色の外観をし ています。 健康な人でも、肺の周りの「胸腔」という場所に少量あり、体格に比例して 0.1-0.2mL/kg 存在します(参 考文献①より)。
肺に水が溜まる原因は何でしょうか?
原因は、大きく分けて「心原性肺水腫」と「非心原性肺水腫」の2種類があります。 心原性肺水腫は、心筋梗塞や不整脈など心臓に原因がある場合で、いわゆる心不全が原因となって起こるものを指します。 非心原性肺水腫は、心臓以外の原因で生じるもので、敗血症や重症肺炎、重症外傷、高山病などさまざまな疾患が原因となり得ます。
漏出性胸水の原因は?
漏出性胸水の最も一般的な原因は,心不全,腹水を伴う肝硬変,および低アルブミン血症(通常ネフローゼ症候群による)である。 滲出性胸水の最も一般的な原因は,肺炎,悪性腫瘍,肺塞栓,および結核である。 評価には,胸水の存在を確認するための画像検査(通常は胸部X線)および原因の特定を補助するための胸水分析が必要である。