従来の主だった疫学研究報告1)における最大公約数的な知 見として,65∼69 歳での認知症有病率は 1.5%だが,以後 5 歳ごとの倍に増加し,85 歳では 27%に達するといわれてき た. そして 2011 年時点でわが国の 65 歳以上の高齢者におけ る有病率は 10%程度と推定されていた.
認知症の有病率・発症率が低下するのはなぜですか?
欧米諸国では過去数十年間で認知症の有病率・発症率が低下したという報告が続いています。 日本では認知症の有病率・発症率が増加しており、糖尿病の増加、西洋風の食事形式の拡大、運動習慣の欠如といった生物学的な要因が大きいことが示されました。
日本の認知症発症率増加の背景・要因とは?
SOMPO 未来研レポート 2 要 約 Ⅰ.はじめに 最近の先進国による認知症有病率・発症率の傾向を概観し、認知症発症に影響を与える生物学的・社 会・環境要因を整理し、日本の認知症発症率増加の背景・要因について記す。 Ⅱ.世界の高齢化に関する統計データ 日本だけではなく、世界で人口の高齢化が加速している。 それに伴い、認知症高齢者の急増が社会的 な課題となっている。 Ⅲ.先進国の認知症有病率・発症率の傾向 欧米諸国では過去数十年間で認知症の有病率が2 割~6 割、発症率が2 割~4 割低下したという報告 が続いている。 一方、日本では認知症の有病率・発症率が増加している。
欧米諸国で認知症有病率・発症率が低下している原因とは?
1.欧米諸国で認知症有病率・発症率が低下している要因 (1)生物学的要因 欧米諸国では、1) 心疾患・高血圧症・糖尿病疾患が減少するなど疾病管理が改善されたこと、2) 栄 養バランスの取れた食 、禁煙、定期的な運動実施など健康行動が推進されたことの2 点と認知症との 関連が示唆されている15。 上述した12 のリスク要因の中にも、高血圧症、喫煙、運動不足、糖尿病が含 まれ、これらの生物学的要因と認知症との関連が示唆されている国内外の研究は多い。
アルツハイマー病型認知症の発症率はどのくらいですか?
アルツハイマー病型認知症の発症率(対千人年)は14.6(1988 年)から28.2(2002 年) と有意に上昇した10。 なお、久山町住民は過去50 年間にわたり、年齢・職業構成及び栄養摂取状況が我