分娩時の子宮からの出血過多 -原因、症状、診断、および治療については、MSDマニュアル-家庭版のこちらをご覧ください。
分娩前は出血しますか?
胎盤が早期に子宮壁から剥離したり、臍帯が断裂したり、産道が傷ついたりしない限り、分娩前は出血しません。 一方で分娩後は、役目を終えた胎盤が子宮から自然に剥離するために出血します(これとは別で、産道の裂傷や会陰切開などの裂傷で出血する場合もあります)。
出産時の出血量の定義はありますか?
出産時の出血量の一般的な目安ですが、日本産科婦人科学会用語集では、「分娩中および分娩後2時間までの出血量を分娩時出血量とし、500ml以上を分娩時異常出血と名づける」と定義されています。 「出血多量」や「中等量」といった出血した量に関する言い方には正確な分類はないのですが、分娩時異常出血量を検討した報告によると、単胎・経膣分娩:800ml、単胎・帝王切開:1500mlが分娩時異常出血の90%を占めるといわれています。 このことから、経膣分娩では800ml以上、帝王切開では1500ml以上を「出血多量」ととらえることが一般的です。
胎児の分娩後、子宮からの出血過多に注意が必要ですか?
胎児の娩出後は子宮からの出血過多に注意が必要です。 経腟分娩の場合、通常は分娩中と分娩後で約500ミリリットルの出血があります。
産後すぐの出血は起こりますか?
このような出血が考えられるのは出産後すぐのことが多いですが、産後1ヶ月経過してから起こることもあるようです。 分娩後に子宮の収縮が出来ないと大量出血が起こることがあります。 その場合は、胎盤がはがれる時に開いた血管からの出血が止まらなくなります。