原因物質は、食物に含まれるたんぱく質です。 食物を摂取し腸管から成分が吸収される際に、体が特定のたんぱく質を異物だと認識すると、血中のIgE抗体(免疫グロブリンE)と呼ばれるたんぱく質が反応してアレルギー症状が出ます。 アレルギーの原因は「アレルゲン」と呼ばれ、花粉やハウスダストだけでなく、ペットや昆虫、食べ物など多岐に渡ります。 多くのアレルギー疾患の治療においては原因を特定し、生活の中で避けることが大切です。
アレルギーはなぜ起きるのか?
アレルギーのしくみ アレルギーの原因となる物質を「アレルゲン(抗原)」といい、私たちの身のまわりには、食物、花粉、ダニなど多くのアレルゲンが存在します。 このアレルゲンが体の中に入ると異物とみなして排除しようとする免疫機能がはたらき、「IgE抗体」という物質が作られ、この状態を「感作」といいます。
なぜアレルギーは増えているのか?
食物アレルギーが増えた理由のひとつは赤ちゃんの時に無闇にアレルギー検査をしたからです。 昔はほとんどの医師はアレルギー検査で引っかかった食材を与えないように指導しました。 また、お母さん方も心配で与えなくなります。 食べさせないと体がどんどんその食材を受入られなくなり、食物によるアレルギーがひどくなります。
アレルギー どこから?
たとえば花粉症に代表されるアレルギー性鼻炎は「鼻」や「目」、赤ちゃんに多い新生児・乳児消化管のアレルギーは「小腸」、アトピー性皮膚炎をはじめとする様々なアレルギーは「皮膚」が、アレルゲンの主な侵入経路となります。
アレルギーを起こすアレルゲンの量が増加していますか?
アレルギーを起こすアレルゲンの量が昔より増加しています。 特にスギ花粉とダニが顕著です。 スギ花粉については、2040年には現在よりも25%増加すると言われています。 また、家の中のダニについては住環境がよくなったことで、ダニも住みやすくなり30年前の3倍にまで増えています。 食生活の欧米化で、アレルゲンとなるたんぱく質の摂取量が増えています。 また、肥満によって自律神経のうちの副交感系神経が優位になりることで、IgE抗体の量が増えアレルギーが悪化する傾向にあります。 体にアレルゲンが入ってきたときに、免疫反応を強くする触媒のような働きをする物質があります。 たとえばディーゼル車の排気ガスや環境ホルモンなどが挙げられます。
アレルギーの原因は何ですか?
しかし、抗生物質の使用などで腸内細菌を叩いてしまうことなどによってTh2優位なまま成長してしまうことが、アレルギーの原因とも言われています。 ちなみに腸内細菌環境は生後2年程度で決まってしまい、その後は変えることが難しいといわれています。 ストレスを感じると交感神経でアドレナリンが多く作られます。
発症したアレルギー疾患に対しては、予防的なアレルゲンを除去する必要がありますか?
発症してしまったアレルギー疾患に対しては、アレルゲン回避が重要ですが、予防的アレルゲンを回避する事は、特に食物では注意が必要です。 子どもの食物アレルギーの発症を心配するあまり何でもかんでも親の自己判断で除去することは、その子の成長・発達に致命的な影響を及ぼすことがあるので専門の医師に相談してください。
強いアレルギー反応によるアレルギーはありますか?
また、強いアレルギー反応により皮膚や呼吸器、臓器にいたる全身に症状があらわれ、急速に悪化し命の危険を脅かすアナフィラキシーショックもⅠ型アレルギーによるものです。 Ⅱ型アレルギーは、 抗原(アレルゲン)に免疫グロブリンの一種であるIgG抗体やIgM抗体が反応することで起こる細胞障害型のアレルギー です。