脳低温療法により期待される効果には、脳内熱貯留の防止、脳内興奮性神経伝達物質放出の抑制、シナプス機能抑制による遅発性神経細胞死の防止、脳内毛細管内圧低下による脳浮腫と頭蓋内圧亢進の防止、脳内酸素消費量の低下による低酸素への抵抗力増大、全身酸素消費量の低下と全身の臓器保護、フリーラジカル活性の抑制などが挙げられる1、2、 .
低体温療法 なぜ?
低体温療法は、主に脳の代謝を抑えて酸素需要を減らすことで、脳の保護をするために行われます。
低体温療法 何度?
低体温療法での目標とする体温は、32~34℃で、深部体温(直腸や膀胱の温度など)を指標とします。 冷却方法は体表面を冷却パッドで覆って冷やすタイプとカテーテルを挿入し、直接的に血液を冷却するタイプに大別されます。 いったん治療を開始するとこれらの装置は設定温度までの冷却と維持を自動的に行ってくれます。
低体温 心室細動 なぜ?
重症低体温では心筋の被刺激性が亢進して いるために、心室細動などの致死的不整脈が 誘発されやすい。 また出現すると低体温下で の除細動は非常に困難となる。
外傷 低体温 なぜ?
1.はじめに 外傷患者においては、中枢性体温調節機能異常や組織低灌流による熱産生障害に加え、外界温や大量急速輸 液・輸血などの影響により、容易に低体温状態となるとされている。 低体温はとくに出血性ショックを伴う外傷 患者にとって重大な問題となるが、外傷患者において実際に体温が経時的に低下したという報告はない。