「原因はまだわかっていません。 でも、胎盤が剥がれるメカニズムはわかっています」と久保先生。 なんらかの理由で血行不良が起こり、子宮と胎盤の接着面(脱落膜)の組織が壊れ、出血が始まります。 すると子宮と胎盤との間に、血が溜まってしまい(血腫)、胎盤が剥がれてしまう。
胎盤が剥がれるとどうなる?
常位胎盤早期剥離になると胎児がまだ子宮内にいるうちに胎盤が子宮壁から剥がれて子宮から出血が起こり、胎児への酸素と栄養の供給量が減少します。 この合併症が起きた妊婦は入院し、胎児を早く分娩させることがあります。
胎盤剥離 止血 なぜ?
胎盤が娩出した後の大量出血を避けるため、生体には止血機能が備わっています。 正常な分娩では、胎児と胎盤が子宮から娩出された後にも引き続き子宮が収縮し、胎盤がはがれた部位や子宮静脈洞などを物理的に圧迫します。 これにより、子宮からの出血は止血されます。
胎盤剥離 なぜ死ぬ?
胎児はへその緒で胎盤とつながり、母体から栄養や酸素を受け取ったり、老廃物や二酸化炭素を外に出したりしているため、常位胎盤早期剝離によって急激に状態が悪くなることに。 場合によっては、胎児が脳性麻痺や死に至るケースもある。 さらに、大量出血を引き起こし、母体が死亡することも。
常位胎盤早期剥離 どうやってわかる?
検査・診断 常位胎盤早期剥離の主要な検査は、(1) 超音波検査、(2) 胎児心拍数モニター、(3) 血液検査、の3つです。 超音波検査では、胎盤が剥がれて、子宮との間に貯まった血液(血腫)を確認することができます。 しかし、超音波で明らかに分かる血腫がみつからない場合も多々あります。