胎児娩出後も胎盤がまったくはがれないため、出血はみられません。 胎児娩出後、癒着部以外の胎盤ははがれますが、子宮が収縮を妨げられて出血します。 癒着した胎盤の小片が子宮内に残ると 産褥期 さんじょくき の出血や産褥熱の原因になります。
胎盤剥がれたらどうなる?
出血で生じた血腫がさらに胎盤を剥がします。 すると大量出血となり出血性ショックが起こり、続いて血液を凝固させる因子が消費されて、さらに出血が止まらなくなるという悪循環に陥ります。 その結果、母体死亡につながることもあります。
用手剥離 なぜ?
一般的に、胎盤は経腟分娩後10分程度の間に娩出されることが多いのですが、30分以上経過しても出てこないと出血のリスクが上昇するため、子宮底圧迫、用手剥離などを行います。
おろが残っているとどうなる?
胎盤片などの残存物は悪露と共に排出されますが、長時間子宮内に残ってしまい、胎盤ポリープを形成することで大出血を引き起こすケースも稀にあるので注意しましょう。 悪露が頻発すると残留物の流出が不十分になって、細菌感染や産褥熱を発生させてしまう可能性があります。
出産 出血 なぜ?
経腟分娩の場合、通常は分娩中と分娩後で約500ミリリットルの出血があります。 子宮から胎盤が剥がれるときに一部の血管が開いた状態になり、出血が起こります。 血管がふさがるまで、子宮の収縮が血管を閉じるのを助けます。