まず、肛門の周囲が化膿して膿がたまり、はれてズキズキと痛み、時には38~39℃の発熱を伴います(肛門周囲膿瘍)。 肛門周囲膿瘍が進みたまった膿が出ると症状は楽になりますが、膿のトンネルができているので(痔ろう)、常に膿が出たりします。 こうした痔ろうや、その前段階の肛門周囲膿瘍は、市販薬では治すことができません。
なぜ痔ろうになるのか?
痔ろうとは、肛門の中と皮膚の間にできる「トンネル」のことをいいます。 下痢便などで肛門にあるポケット(肛門陰窩)の中に細菌(大腸菌)が入り込み、トンネルを作るのが痔ろうの原因です。 特に体力が弱っていると化膿しやすくなります。
痔ろうって何?
「痔ろう」は、肛門内部の直腸と肛門周囲の皮膚の間に穴が開いてトンネルができてしまう状態のことで、別名「あな痔」とも言います。 初期の段階は肛門の周囲に膿がたまる「肛門周囲膿瘍」と言われますが、進行して慢性化すると痔ろうになります。 痔ろうは、いぼ痔や切れ痔と異なり、市販薬では治すことはできません。
痔瘻はどこが痛む?
肛門からのうみやお尻の激しい痛み 痛みはズキンズキンという拍動性であることが多く、ふれると痛みがさらに増します。 全身の発熱をともなうことも少なくありません。 ただ、膿瘍が深いところにある場合は、はれや痛みがわかりにくく、発見が遅れることもあります。 やがて皮膚が破れてうみが出てきます。
痔は何科に行くの?
痔の治療は肛門科・肛門外科で行います。 近くに肛門科・肛門外科がない場合は、外科または消化器外科を受診してください。 また、気になる症状があったら、まずはかかりつけのお医者さんに相談するのもよいでしょう。
痔ろうは腫れやすくなりますか?
また、痔ろうは腫れているときはかなり痛いものの、一度うみが出てしまうとあまり症状を感じなくなってしまい、そのままにされる方も多くおられます。 しかし痔ろうができたまま放っておくと繰り返し腫れたりするだけでなく、深い場所に膿がたまって治療が大変になったり、痔ろう癌と呼ばれる癌ができてしまう場合もあります。
痔の治療はどのくらいかかりますか?
そのため、括約筋の損傷が少なくて済むのです。 痔ろうができた場所によって異なりますが、3か月半から半年ほどかけて治療を行います。 場合によっては1年ほどかかるケースもあります。 その間、2~3週間おきに通院し、ゴムひもを締め直したり交換したりする処置を受けます。
男性の痔ろうはどのくらいの頻度で発症しますか?
痔ろうは圧倒的に 男性 に多くみられます。 年齢では、男女ともに 30~40代 での発症が最も多いとされていますが、10代や60代、70代で発症することもあります。 下痢をすると水状の便が歯状線のくぼみに入り込みやすいため、 下痢を繰り返している人 も肛門周囲膿ようや痔ろうになりやすいといえます。
肛門周囲の膿瘍は痔ろうになりますか?
肛門周囲膿瘍が進行して膿が管状のトンネルを作り、皮膚に出口を作ってしまうと痔ろうとなります。 また、性差については男性の方が多い傾向にあります。 下痢しやすい方、肛門括約筋の緊張が強い方、糖尿病やストレス、過度の飲酒、喫煙などにより免疫力が低下している方は、痔ろうになりやすいと言えます。 また、裂肛(切れ痔)から痔瘻が発生することもあります。 (裂肛痔瘻といいます。 )特殊なケースとして、潰瘍性大腸炎・クローン病などの炎症性腸疾患(IBD)に合併することもあります。 痛みや熱を伴う肛門周囲の腫れは肛門周囲膿瘍の段階でみられますが、皮膚に穴が開いて膿が出てしまうか、医療機関で切開排膿の処置を受けるとこうした症状は治まります。