「痔ろう」は、直腸と肛門周囲の皮膚をつなぐトンネルができる痔のことです。 肛門周囲に膿がたまる「肛門周囲膿瘍(こうもんしゅういのうよう)」が進み、慢性化すると痔ろうになります。 痔ろうの主な原因は、下痢などによって肛門の組織に細菌が入り込むこととされています。
なぜ痔ろうになるのか?
痔ろうとは、肛門の中と皮膚の間にできる「トンネル」のことをいいます。 下痢便などで肛門にあるポケット(肛門陰窩)の中に細菌(大腸菌)が入り込み、トンネルを作るのが痔ろうの原因です。 特に体力が弱っていると化膿しやすくなります。
痔ろうってどういう病気?
「痔ろう」は、肛門内部の直腸と肛門周囲の皮膚の間に穴が開いてトンネルができてしまう状態のことで、別名「あな痔」とも言います。 初期の段階は肛門の周囲に膿がたまる「肛門周囲膿瘍」と言われますが、進行して慢性化すると痔ろうになります。 痔ろうは、いぼ痔や切れ痔と異なり、市販薬では治すことはできません。
痔は何科に行くの?
痔の治療は肛門科・肛門外科で行います。 近くに肛門科・肛門外科がない場合は、外科または消化器外科を受診してください。 また、気になる症状があったら、まずはかかりつけのお医者さんに相談するのもよいでしょう。
痔ろう どんな痛み?
肛門からのうみやお尻の激しい痛み 痛みはズキンズキンという拍動性であることが多く、ふれると痛みがさらに増します。 全身の発熱をともなうことも少なくありません。 ただ、膿瘍が深いところにある場合は、はれや痛みがわかりにくく、発見が遅れることもあります。 やがて皮膚が破れてうみが出てきます。
痔の治療はどのくらいかかりますか?
そのため、括約筋の損傷が少なくて済むのです。 痔ろうができた場所によって異なりますが、3か月半から半年ほどかけて治療を行います。 場合によっては1年ほどかかるケースもあります。 その間、2~3週間おきに通院し、ゴムひもを締め直したり交換したりする処置を受けます。
男性の痔ろうはどのくらいの頻度で発症しますか?
痔ろうは圧倒的に 男性 に多くみられます。 年齢では、男女ともに 30~40代 での発症が最も多いとされていますが、10代や60代、70代で発症することもあります。 下痢をすると水状の便が歯状線のくぼみに入り込みやすいため、 下痢を繰り返している人 も肛門周囲膿ようや痔ろうになりやすいといえます。
痔ろうは腫れやすくなりますか?
また、痔ろうは腫れているときはかなり痛いものの、一度うみが出てしまうとあまり症状を感じなくなってしまい、そのままにされる方も多くおられます。 しかし痔ろうができたまま放っておくと繰り返し腫れたりするだけでなく、深い場所に膿がたまって治療が大変になったり、痔ろう癌と呼ばれる癌ができてしまう場合もあります。
痔と間違えやすい腸の病気はありますか?
痔と間違えやすい腸の病気には、主に次のようなものがあります。 IBDや大腸がんは腸の病気ですが、お尻に症状がみられることから、最初に肛門科を受診する患者さんは多いです。 痔 の診療では、初めに行う問診が重要です。 症状、生活様式、食事、便の状態、排便にかかる時間や回数、これまでに受けた検査といった質問事項から、患者さんが抱えている病気についてさまざまなことが分かります。 たとえば、痔核の症状をお持ちの患者さんなら、痛みがなくて出血している場合は 内痔核 、痛みがあって出血している場合は 外痔核 など、ある程度予測することができます。