大動脈弁狭窄による圧負荷の増大により,左室の代償性肥大が内腔の拡大を伴わずにもたらされる(求心性肥大)。 時間の経過とともに,心室による代償が破綻すると,二次的な左室腔の拡大が惹起され,駆出率が低下し,心拍出量も減少し,大動脈弁圧較差が判断を誤らせるほど低い値となる(圧較差の低い重症AS)。
大動脈弁狭窄症 心雑音 なぜ?
大動脈弁狭窄症があると、左心室によって送り出された血液が、狭くなった大動脈弁を通り抜けるために血流のジェット(乱流)が生じます。 これは、聴診器を当てた時に心雑音として聴取されます。 また、狭くなった大動脈弁の部分で抵抗が生じるため、左心室も負荷を受けて、強い左室肥大(心筋の壁が正常よりも厚くなること)を起こします。
大動脈弁狭窄症の注意点は?
大動脈弁狭窄症の重症度が中等症以下であれば、定期的な心エコー検査と感染性心内膜炎の予防で十分です。 しかし、狭窄は徐々に進行していくため注意してください。 半年から1年ごとの定期的な心エコー検査で経過観察が必要となります。 断層心エコー法は、心臓の断層を連続撮影するものです。
大動脈弁狭窄症の酸素需要は?
大動脈弁が正常に開かなくなった状態が大動脈弁狭窄症です。 大動脈弁狭窄症を起こすと、左心室へは負荷が掛かり、左室肥大し、心筋酸素需要は増加する一方で、大動脈弁の狭窄から冠動脈の血流は低下するため、冠動脈に明らかな狭窄がなくても、相対的に心筋虚血になり、狭心症発作のような胸痛を引き起こします。
大動脈弁狭窄症の失神機序は?
また、ASでは血圧低下に対して圧受容体が正常に作動できないことや、一過性の徐脈の発生、あるいは心房細動の合併がいずれも血圧低下を招きます。 その結果、低血圧によるめまいと失神が起きます。