「大腿骨頸部骨折」とは、股関節(足の付け根)の中で大腿骨の骨頭を支える頸(くび)の部分の骨折です。 主な症状は、股関節部(脚の付け根)に痛みがあり、ほとんどの場合、立つことや歩くことができなくなります。 高齢者が転倒して立ち上がれなくなった時には、まず、この骨折が考えられます。
大腿頸部 どこ?
大腿骨とは、骨盤と膝をつなぐ太もも部分の大きな骨のことで、その上端の骨盤との接合部分を大腿骨頚部とよびます。 大腿骨頸部は、股関節の一部とされています。
右大腿骨頸部骨折の症状は?
大腿骨頚部骨折が生じると、脚の付け根に痛みを感じ、立ったり歩いたりができなくなることが多い。 仰向けの状態からの膝立てや足を持ち上げる動作ができないことが多い。 不全骨折で痛みを伴うもののある程度動ける状態が起こることがあるが、多くは進行して完全骨折となる。
大腿骨頸部骨折の好発年齢は?
図2 ご高齢の方では転倒による骨折が多い2007年の日本での大腿骨頚部・転子部骨折の年間発生数は約15万例で、発生率は40歳から年齢とともに増加し、70歳をすぎると急激に増加しており、ご高齢の方での発生率は男性より女性のほうが高いという調査結果が出ています1)。
大腿骨頚部骨折の原因は?
大腿骨頚部骨折の原因 大腿骨頚部骨折を起きやすくする主な原因は骨粗鬆症です。 骨粗しょう症とは骨の内部がスカスカになり骨の強度が低下してしまう病気で、高齢の女性に多く発症します。 骨粗しょう症で骨の強度が弱くなると、外部から強い衝撃を受けなくても骨折してしまうことがあります。