肺を動かすのは、骨と筋肉 このような状態が進行して、低酸素血症・高炭酸血症が顕著になった状態を「呼吸不全」と言います。 また、肺活量が低下すると、胸を動かす範囲が小さくなるため、手足の拘縮と同様に胸郭や肺が硬くなり、さらに呼吸運動を困難にします。
肺活量減少 どうなる?
肺活量の減少は、痰を出すための咳嗽力 (咳の力)の低下を引き起こし、結果として痰が溜まりやすくなり ます。 痰が溜まると感染を引き起こしやすくなったり、酸素の通り 道を塞ぐと無気肺(肺の中に酸素が入らなくなる部分)を生じ、重 篤な肺障害を引き起こすきっかけとなります。
肺活量低下の原因は?
(1)拘束性障害:肺活量の低下は、呼吸する肺の組織が減少するなど、胸膜の病気などが 原因だと考えられます。 (2)閉塞性障害:1秒率の低下が主な原因です。 ①気道閉塞:喘息、慢性気管支炎、びまん性細気管支炎 ②肺気腫:慢性閉塞肺疾患(COPD)は特に近年多くなっています。
呼吸機能が低下するとどうなる?
呼吸機能低下が進行すると、排痰能力が低下し呼吸器感染が起きやすくなる、肺の一部が虚脱する(無 気肺)などの問題も生じます。 嚥下障害は唾液や食物の誤嚥や窒息、(誤嚥性)肺炎の原因ともなります。 このような問題が加わると、肺自体も冒されるため管理がさらに困難になります。
1秒率 低下 どうなる?
深く息を吸って一気に吐き出した空気量(これを努力性肺活量といいます)に対し、最初の1秒間で吐き出した量(1秒量)の割合を示したものです。 70%以上が正常ですが、1秒率が低下している場合は閉塞性換気障害(気管支が狭くなっているために起こる呼吸機能障害)が疑われます。