骨折全体のうち骨盤骨折が占める割合は少ないです。 しかし骨盤内側には消化管、泌尿器、子宮卵巣などの重要な臓器のほか、内腸骨動脈や子宮動脈などの血管が存在しているため、骨折により血管損傷からの出血性ショックや、各種臓器の機能障害などを起こすことがあり、死に至ることもあります。 25 апр. 2017 г.
骨盤骨折の病態は?
病態生理 骨盤骨は,前後の仙腸靱帯および骨間の線維性関節(靱帯結合)とともに輪を形成する。 骨盤骨折では,骨盤輪が破綻する場合もあれば破綻しない場合もあるが,2カ所以上で骨折が起きれば骨盤輪が破綻して,不安定性が生じる。
骨盤骨折の合併症は?
合併症 出血だけではなく、静脈血栓症(エコノミークラス症候群)や、手術創部の感染、神経血管損傷や骨癒合の遷延、長期の臥床に伴う合併症として肺炎や褥瘡・その他内科的合併症を生じることがあります。 また骨粗しょう症による二次的な骨折の発生なども挙げられます。
骨盤骨折したらどうなる?
骨盤骨折が重度で不安定な場合は、非常に激しい痛みが生じ、歩くことができません。 一方、軽度の骨折でははるかに痛みが少ないこともあります。 他の部位に損傷があると、別の症状も現れることがあります。 例えば、血尿、排尿困難、尿失禁(排尿をコントロールできない状態)、下血や性器出血などの症状がみられます。
骨盤骨折の危険性は?
骨盤骨折の死因の50%は出血であると報告されており,骨盤腔内の出血で出血性ショックを引き起こし死亡する例も珍しくありません。 輸液・輸血にもかかわらず血圧が上昇しないときは,ただちに内腸骨動脈造影を実施し,スポンゼルコイルを使用し両側内腸骨動脈の根元から血管塞栓術を実施します。