甲状腺はノドボトケの下にあり、蝶々のような形をしています。 脳の下垂体から指令を受けて、新陳代謝を活発にする甲状腺ホルモンを分泌するのが主な働きです。 この甲状腺ホルモンの分泌に異常が起こったり、炎症が起きたりするのが甲状腺の病気で、種類は大きく3つに分けることができます。 いずれも女性に多いのが特徴です。
甲状腺が悪いとどんな症状が出ますか?
甲状腺疾患の症状と患者さんの数 甲状腺ホルモンが分泌過剰な状態では、イライラ、動悸、多汗、手の震え、眼球の突出や甲状腺の腫れが徐々に現れます。 一方、分泌が不足すると、肌のかさつき、気力の衰え、便秘、体重増加、寒がり、眉毛の脱毛などの症状が現れます。 どちらも、いわゆる「不定愁訴」と混同されてしまうことがあります。
甲状腺炎の病気は?
橋本病(慢性甲状腺炎)は自己免疫疾患の一つです。 自己免疫疾患とは、細菌やウィルスなどから体を守るための免疫が、自分の臓器・細胞を標的にしてしまうことで起きる病気の総称です。 橋本病では、免疫の異常によって甲状腺に慢性的に炎症が生じていることから、慢性甲状腺炎とも呼ばれます。
甲状腺疾患の種類は?
甲状腺疾患には、甲状腺ホルモンの分泌過剰による甲状腺機能亢進症や、分泌不全による甲状腺機能低下症、急性・慢性甲状腺炎、単純性甲状腺腫、甲状腺がんなどがあります。 甲状腺ホルモンの異常による病気は、全身に様々な症状が現れ、どこが悪いのか判らず「いつも調子が悪い状態」になります。
甲状腺の病気はなぜなる?
甲状腺の病気がなぜ起こるのか、はっきりとした原因はいまだに解明されていません。 ただし病気の成り立ちから見ると、バセドウ病と橋本病には、明らかに自己免疫がかかわっています。 甲状腺の病気の半数以上は、自己免疫疾患です。