筋肉を長時間使わない、例えば1日寝たきりの状態でいると、1日3~5%も筋肉が委縮し、筋力が低下していきます。 これを「廃用性筋萎縮」といい、さまざまな心身の機能低下につながります。 骨や筋肉は、日々、体を支えることでその機能を維持していますが、使わなければ、当然、機能も停止していきます。
筋肉が落ちるとどうなるの?
加齢にともない筋肉量が低下し、運動量が減少すると、さらに筋肉量が低下していき、老化に拍車がかかります。 同時に骨量も低下し、骨粗しょう症が進行してしまいます。 体のバランス感覚も悪くなってくるので転倒しやすく、その上骨折もしやすいため、「寝たきり」になるリスクが上昇。
筋肉の低下の症状は?
筋力が低下すると、生活のなかで以下のような症状が見られます。・つまずきやすい・立ち上がるときに手をつく・ペットボトルが開けづらくなった・立ちっぱなしの状態をつらく感じる・猫背の姿勢を楽に感じる・すぐに疲れてしまう・足がむくみやすい
普段使わない筋肉 どこ?
股関節の周りには、現代では日常的にあまり使われない筋肉も多い。 筑波大教授の白木仁さん(スポーツ医学)によると、特にお尻の多くを占める 大臀 だいでん 筋や、太ももの内側の内転筋、裏側のハムストリングスなどの衰えが顕著だという。
1週間動かないとどうなる?
人間は1週間寝たきり状態になると15%の筋力が低下し、3~5週間で50%もの筋力が落ちるといわれています。 これは高齢者だけでなく若者にも現れる症状ですが、実際には「廃用症候群」の症状を訴えるのは高齢者がほとんどです。