カルシウムは吸収が難しいミネラルです。 魚の骨を食べても、人間のカラダはそのすべてを吸収する力を持っていません。 腸はカルシウムをイオンの型で吸収しますが、大部分の魚の骨のカルシウムは腸内で完全に吸収されないまま、直腸から排泄されてしまうのです。
カルシウムの吸収過程は?
カルシウムはどのように体に吸収され、どうやって体から出ていくのですか。 食物中のカルシウム(Ca)は胃酸によって溶解し、Caイオンとなって腸に送られ、腸管から吸収されます。 吸収されたCaは血液によって体の隅々まで運ばれ、成人の体内には約1KgのCaが存在し、その約99%は骨や歯を構成しています。
カルシウムの吸収効率は?
Caの平均吸収率は牛乳50%、小魚30%、ほうれん草17% で、乳製品>小魚>野菜の順で吸収率はよいようです。 Caの吸収を促進する食物成分としては、ビタミンD、乳糖、カゼイン分解物、リジン(アミノ酸)が挙げられます。 ビタミンDはきのこ類、動物性食品(特に魚類)に、乳糖、カゼインは乳製品に多く含まれています。
カルシウムの吸収を阻害するものは何?
インスタント食品や清涼飲料水、スナック菓子、加工食品、肉類に多く含まれるリンは、摂り過ぎるとカルシウムの吸収を阻害してしまいます。 また、アルコールやコーヒーには利尿作用があるため、摂取しすぎるとカルシウムが尿として体外に排出されやすくなってしまいます。
カルシウムの体内吸収は?
摂取されたカルシウムは胃の中で可溶化され、小腸で体内へ吸収されます。 小腸の上部で一部吸収され、大部分のカルシウムは下部に移動します。 下部にいくほど管腔内のpHが上昇(弱アルカリ)するので、一般的にはリン酸と結合し、不溶化して吸収されにくくなります。