老衰死(医学) 老衰によって生命活動が終わること(死ぬこと)を、老衰死(ろうすいし)とも言う。 加齢による老化に伴って個体を形成する細胞や組織の能力が低下し、多臓器不全により恒常性の維持・生命活動の維持ができなくなることが原因である。
老衰は苦しいですか?
老衰とは、年を取って亡くなることではなく、細胞や組織の能力が全体的に衰えて亡くなることをいいます。 すべての臓器の力がバランスを保ちながら、ゆっくり命が続かなくなるレベルまで低下していくので、患者さんはそれほど苦しくありません。
老衰の兆候は?
老衰の兆候がまずあらわれる症状としては、握力の低下・歩行速度の低下・転倒しやすくなるなどの筋力の低下が挙げられます。 その他にも、内臓器官の機能も衰えていくため、循環器や呼吸器に関するトラブルが増えたり、食事をしても栄養が吸収されにくくなることで急激な体重の減少が見られることがあります。
老衰の経過は?
一般的には、老衰の経過は緩余であり、寝たきりとなって睡眠(あるいは意識 障害)時間の増加はありますが、血圧等のバイタルサインは比較的保たれてい ます。 一日寝て一日起きるといった睡眠パターンの変化や、無呼吸、経口摂取 も全くない場合や、食事のときだけは目覚めるなどいろいろな場合があります。
老衰で亡くなるとはどういうことか?
厚生労働省が発行する『死亡診断書記入マニュアル』によると,「老衰」は「高齢者で,他に記載すべき死亡の原因がない,いわゆる自然死」と定義されています。 「老衰」が増加した背景には,社会全体の高齢化とともに,治療をおこなうよりも自然な死を受け入れるという考え方の変化もあるのではないかと推測されています。