1つは泳いでいて何らかのアクシデントによって気道内に水を吸入 し、正常な呼吸を行うことができなくなり、空気を求めながら死に至るもの (溺死)。 もう1つは酸素飢餓感がなく、空気を求めて“もがく”こと無く、周 りに気づかれずに、静かに絶命してしまうものである。 溺死に至る要因としては、(1) 初心者の水への恐怖心、(2) 筋けいれん、(3) 飲酒、(4) 疲労・体調不良・基礎疾患、(5)変化する自然環境などが挙げられ、以下に解説する。
なぜ人は溺れるのか?
酔っ払うと千鳥足になる人がいますが、当然水の中でも平衡感覚が失われて体が思うように動かなくなるのが溺れる直接の原因になります。 水による体温低下はさらに動きの麻痺を加速させます。 運動能力の低下により、これまで挙げてきた溺れる要因のすべてが起こりやすくなるといっても過言ではありません。
人 溺死 何センチ?
「溺死の場合、ほとんどは顔が横か下のうつぶせの体勢。 転落で首の骨を折るなどして動けなくなると、水深が10センチ程度でも水を吸い込んで死に至る」。
水難事故 なぜ起こる?
海や川等での水難事故の原因は、 ・泳いで深みや急流に流される (向こう岸まで泳いでやろう) ・ウォータースポーツ (いいところを見せてやろう) ・危険な場所での魚釣り (大事な竿は離さないぞ) 等々であり、様々なところに危険が潜んでいます。 平成22年と比較して 年々減少しています。
なぜ沖に流されるのか?
■沖に流される理由は『離岸流』が原因 海岸に向かって強い風が吹くと、海水が波となって沖から海岸へ打ち寄せます。 このとき、岸にたまった水が行き場を失い、勢いよく沖に戻ろうとします。 『離岸流』と呼ばれる現象で、これが沖に流されてしまう大きな要因になります。
なぜ陸上で溺死するのですか?
件数は少ないが、陸上で溺死することがある。 乾性溺水 とは、勢いよく水を飲んだ時などに、誤って呼吸器に水を吸い込んだことが原因で気道がけいれんを起こし、空気の通り道がふさがれて溺水や溺死を引き起こすことである。 二次溺水 とは、水難事故で溺れかけたことが原因で肺に水が溜まり、その時は助かっても数時間後や数日後に 肺水腫 となって死亡することである。
溺れる時は騒ぐんですか?
溺れる時は騒ぐはずだ」という先入観があるためにこれまでこの現象は注目されなかったのだと思われます。 米国の多くの水難救助関係者が常識としており、またライフセーバーは「溺れるときは静か」と教わっています。 この啓発の結果導き出される結論が「乳幼児の入浴時には目を離さない」というものであり、医学文献は乏しくても、予防という観点からは医療者が啓発する意義は大きいと考えました。 本能的溺水反応のひとつが、「呼吸をするのに精いっぱいで声を出せない」という現象です。 真に溺れる時は、声は出せませんので、それは水深の浅い場所でも当てはまると言えます。
浴槽で溺死した人はいますか?
浴槽での溺死者数は 2016年までの過去10年間で約8割増加している のに対し、交通事故の死亡者数は年々減少傾向にあります。 浴槽での死亡事故は、交通事故での死亡より、 高い確率で起こりうる ということが言えそうです。 ちなみに警察庁の統計によると、2017年の 交通事故死亡者数は3,694人 とのこと。 現代は 外よりも家での事故に気を付けなければならない 時代なのかもしれません。 【交通事故死者数・速報】全国は前年比210人減! さらに県別データを徹底詳解! (ニュース・ポスト) 実は筆者も 一度だけお風呂で危険な目に遭ったこと があります。 筆者はシャワーよりも浴槽が大好きで、 毎日欠かさず浴槽にお湯を溜めて浸かる のですが、一度だけ 浴槽に浸かりながら熟睡 してしまったのです。
飲酒後に泳いだ人が溺死するのはなぜですか?
肺には普段、この水の侵入を防ぐ機能が働いているが、一度水が肺の中に入ってしまえば、この機能は途端に無意味になる。 飲酒後に泳いだ人が溺死するのは多くの場合、気道の蓋であるこの喉頭蓋が麻痺しているためである。