全身麻酔後、術後数時間の酸素投与は、低酸素血症の回避、術後悪心・嘔吐(postoperative nausea and vomiting:PONV)防止、手術部位感染(surgical site infection:SSI)防止を期待して行われています(1)。
手術後 酸素マスク なぜ?
具体的な理由と使用時間を伝える 「麻酔が完全に切れるまでは呼吸が浅くなる危険がある」「低酸素症によって手術部位の回復が遅くなる危険がある」「縫い合わせたところがくっつかない合併症を予防するために酸素が必要」と説明してください。
術後 SpO2 なぜ?
手術直後では、麻酔薬や術中体位、輸液負荷量(In-Outバランス)等により呼吸状態が変化しやすいので、呼吸状態のモニタリングの意味でもSpO2を測定する必要があります。
全身麻酔後の呼吸状態は?
全身麻酔から覚めたあと、呼吸は浅く なります。 術創部の痛みもあり、深い呼吸がしにくくなります。 そのうえ、上向きで寝ていると痰が 下のほうへたまってくるようになります。 痰はさらに細かな気管支を詰まらせ、肺がしぼんでしまう 状態(無気肺)に陥る可能性があります。
術後酸素投与の観察項目は?
具体的な観察項目としては、意識レベル(脳への酸素供給の低下から意識障害が起こりうる)、尿量(循環不全から尿量減少が起こりうる)などが挙げられる。 チアノーゼ(口唇・爪)の有無、四肢末梢の冷感・皮膚湿潤の有無、皮膚温など、末梢循環不全徴候を観察する。