褥瘡発生には「外力(体位変換や寝具)」「栄養状態(病的骨突出や浮腫)」「湿潤(多汗や失禁)」「自立(ADL低下や関節拘縮)」の4つの要素が大きくかかわっています。
褥瘡ケアの目的は?
前段で決定した手順に沿って褥瘡処置を行います。 創周囲の洗浄は、滲出液、汗、ドレッシング材、排泄物などの汚れを除去し、創感染のリスクを減らすとともに、上皮化を促進することが目的です。 創部およびポケットの洗浄は、創表面やポケット内の異物や壊死組織の除去、外部からの汚染防止、細菌の増殖抑制を目的に行います。
なぜ褥瘡ができるのか?
褥瘡(床ずれ)は、皮膚の同じ部分(特に骨が突出している部分)への圧迫が持続することで起こります。 ベッドのマットや布団、車いすなどにより外から圧迫を受けると、体の中では皮膚や皮下脂肪、筋肉などを押しつぶそうとする力、左右に引っ張ろうとする力などがかかります。
褥瘡ができるとどうなるか?
褥瘡(じょくそう・床ずれ)の初期症状は、肌に赤み(「発赤(ほっせき)」)がみられます。 進行すると、内出血や水泡、びらんが見られます。 重症化すると皮膚が壊死し、皮下脂肪や筋肉や骨、腱などにまで傷が広がり、治りにくくなります。 また、そこから細菌が入ると、感染症を合併し死に至ることもあります。
褥瘡の観察項目は?
項目は、「基本的動作能力」「病的骨突出」「関節拘縮」「栄養状態低下」「皮膚湿潤(多汗、尿失禁、便失禁)」「浮腫(局所以外)」の6項目です。 点数化されていないため、1つでも「あり」あるいは「できない」項目があれば看護計画を立案します。