また、透析患者さんでは腎臓でつくられる活性型ビタミンD3(血液中のカルシウムを増加させる働きがある)が産生されなくなるため、血液中のカルシウムが低下してしまいます。 さらに、体内にリンがたまると、カルシウムはリンと結合するために血液中のカルシウム量はますます低下して「低カルシウム血症」になります。
透析 石灰化 なぜ?
透析の患者さんでは、特にミネラル(リン・カルシウム)の代謝バランスが崩れやすく、その結果生じる血管の石灰化が多くみられます(図)。 その原因として特に重要と考えられているのが、血清のリンの値です。
カルシウムが多いとどうなる?
カルシウムの過剰によっても、高カルシウム血症、高カルシウム尿症、軟組織の石灰化、泌尿器系結石、前立腺がん、鉄や亜鉛の吸収障害、便秘などの様々な健康障害が起こります。 また、亜鉛や鉄などの他のミネラルの吸収も妨げられます。
高カルシウム血症になるとどうなる?
高カルシウム血症による症状は 血清カルシウム値が、12~13mg/dl以上で倦怠感、疲労感、食欲不振などが起こり、さらに高度になると筋力低下、口渇、多飲、多尿、悪心、嘔吐等が出現します。 高カルシウム血症は、腎臓での尿濃縮機能を低下させるため、ほとんど全例で脱水が見られます。
腎不全 高カルシウム血症 なぜ?
高カルシウム血症では、腎障害を惹起することがいわれています。 原因としては、カルシウムの組織への沈着、尿細管閉塞、動脈収縮、糸球体濾過値の低下、脱水などが複合的に合併し発症します。 さらに、高カルシウム血症で臨床的に良く認められる多尿や脱水は、尿濃縮機構障害により起こるとされています。