心不全による胸水貯留のメカニズムとしては、①右心不全による静脈圧上昇のために胸水の吸収が低下する場合と、②左心不全による肺静脈圧上昇のために生じた肺うっ血が高度になって、リンパ管からの排出を越えてしまい、胸膜腔への胸水産生が増加する場合とがあります。
心不全になるとどうしてむくむのか?
肺に十分な血液を送り込めない状態(うっ血=渋滞)になり右心に負荷がかかることで、肺の手前にある下腿の血管周辺にも負荷がかかります。 また、心臓から十分な血液を送り出せないことから、腎臓に流れる血液も少なくなり、尿の量が減り、貯まった水分を排泄できないことでむくみが起こります。
心不全 体液量増加 なぜ?
心不全では、基本的に体液量は不足しているわけではなく、むしろ過剰な状態にあります。 これは、心拍出量の低下によって、動脈側に送り出す血液量(有効動脈容量)が減少したことが原因です。 この有効動脈容量の減少により、腎血流量が低下し、結果として身体は水が足りないと判断します。
心不全 脱水 なぜ?
体の水分は少なすぎると脱水になり、心臓は十分に酸素を送ることができません。 多すぎてもバネの力が追い付かない負荷になり心不全になります。
心不全の水分量は?
1日6g以下が勧められています。 麺類の汁を残す、塩分の多い味付けをさけるなど、食事の工夫が必要です。 また、水分をとりすぎると血液量が増え、心臓に負担がかかる場合があります。 飲水量の制限を言われている方は飲水量を記録して摂取量を守る必要があります。