胸水は胸膜腔に溜まる 胸水は、臓側胸膜と壁側胸膜の間に溜まります。 臓側胸膜と壁側胸膜の間の空間は、胸膜腔と呼ばれており、胸水の貯留が生じるのはこの場所です。 なお、正常なヒトでも、胸膜腔には少量の胸水(約10mL~20mL)が存在します。
胸水 どこから?
胸水は、壁側胸膜から産生され臓側胸膜から吸収されていますが、吸収が減少したり産生が増加したりした場合には、胸水貯留(胸に水がたまった状態)になります。
胸水がたまるとどうなるか?
胸水の量が増えると肺を圧迫してしまい息苦しさの原因となります。 さらに大量になると心臓を圧迫してしまい,心不全の原因になりかねません。 胸水は胸部X線やCTで確認します。 胸水に対する治療はたまっている量と症状の有無で決まります。
胸水貯留の原因は?
滲出性胸水の原因としては、感染(細菌、結核など)、肺がんや胸膜に発生する悪性中皮腫といった腫瘍、関節リウマチなどの膠原病などによる胸膜炎があります。 通常は片側性で、悪性の場合は血性になることが多いです。 漏出性胸水は、心不全、肝硬変、ネフローゼ症候群,腎不全などでみられ、肺の病気以外が原因のことが多いです。
胸水が溜まるとどんな症状?
胸腔に液体がたまる原因としては、感染症、腫瘍、外傷、心不全、腎不全、肝不全、肺血管の血栓(肺塞栓症)、薬物など、数多くあります。 症状には、呼吸困難や胸痛などがあり、特に呼吸やせきをしたときに現れます。