アルコールは、肝臓内での中性脂肪(トリグリセライド)の合成を増加させます。 多量の飲酒により中性脂肪の合成が過剰になり、肝臓の外に分泌されて高トリグリセライド血症の原因となります。 一方、動脈硬化を抑える働きをする「善玉」のHDLコレステロールは、飲酒量の増加に伴って増加します2)。
動脈硬化のアルコール摂取量は?
一日のアルコール摂取量は、25g以下が目安です。 なお、お酒の中でも赤ワインのポリフェノールには「抗酸化作用」があり、動脈硬化予防に効果があるといわれています。 血液中の悪玉コレステロール(LDLコレステロール)が、酸化されるのを抑制します(動脈硬化の詳しいメカニズムはこちら)。
飲酒 脳出血 なぜ?
アルコール摂取量が日本酒にして「1日平均約1合未満」から、飲酒量が増えるにつれて、出血性脳卒中の発症率は段階的に増えていきます(図2)。 この理由としてはアルコールの血圧上昇作用以外に、血液を固まりにくくする作用が働いているためと考えられています。
動脈硬化はなぜ起きるのか?
動脈硬化は年齢とともに起こりますが、起こりやすくする原因があります。 動脈の壁の内側に小さい傷をつくるきっかけが、たばこ、高血圧、肥満、糖尿病、高脂血症です。 これらは動脈硬化のリスクファクターです。 たばこを吸ってニコチン、タール、一酸化炭素が体に入ると、いずれも動脈硬化を起こします。
酒 血管拡張 なぜ?
アルコールを少量飲むと、一時的に血圧が少し下がり、脈拍数が増加する。 これは、体内に吸収されたアルコールが酵素により酸化され、生じたアセトアルデヒドが血液中に増加し、体の末端部の血管を拡張するためだ。