心臓から送り出された血液は全身をっめぐってから肺に戻ってきますが、体のどこかに「がん」があり、そこでがん細胞が血液の中にこぼれ落ちて血液の流れにのり肺に流れてくると、肺でひっかかって増殖します。 それが転移性肺腫瘍の形成です(図1)。
肺がん どこから転移?
肺転移とは、他の臓器や組織で発生した癌細胞が肺に転移してしまうこと。 食道や子宮からの転移が多く見られ、血液やリンパの流れに乗った癌細胞が肺に到達することで起こります。
転移性肺腫瘍の特徴は?
普通はどんな症状がでますか。 転移性肺腫瘍はかなり大きくなるまで通常無症状です。 ただし、元の腫瘍によって肺への転移の仕方にもある程度特徴があり、そのため症状の出方にも多少の違いがあります。 肺門(肺の付け根の部分)に転移した腫瘍では、痰に血が混ざったり苦しくなったりします。
癌 転移 どこから?
転移先として多いのは、原発巣の近くのリンパ節。 次に多いのが、左右の肺を隔てている縦隔と呼ばれる組織のリンパ節です。 そのほかに、肝臓、骨、脳、副腎などで遠隔転移を起こしやすいとされています。 肺癌は早い段階でも転移が起こり、全身に癌が広がってしまう可能性があると言われています。
転移性肺腫瘍の治療方法は?
転移性肺腫瘍は、元の臓器のがんの性格を受けついでいることが多いので、抗がん剤や分子標的治療薬も元の臓器のがんの治療薬が使われます。 最近日本でも増加している結腸・直腸がんでは、ベバシズマブという分子標的治療薬と抗がん剤の組み合わせが有効で、この治療が効かなくなってもセツキシマブという薬があります。