脳腫瘍全体の 14.7%を占め、神経膠腫、髄膜腫、下垂体腺腫に次いで多く、原発巣は表1 のように肺癌が最も多い。
転移性脳腫瘍の頻度は?
体のがんが脳に転移したものを転移性脳腫瘍といいます。 転移性脳腫瘍の発生頻度は全脳腫瘍の17.4%とされていますが、近年MRIが頻回に撮影されるようになったこと、高齢者層が増えていることなどから、実際にはもっと多いと思われます。 事実米国などでは40%という報告もあります1,2)。
転移性脳癌は、どこからの転移が多い?
なかでも肺がんからの脳転移がもっとも多く、転移性脳腫瘍のうちの半数以上を占めます。 また、乳がんと消化器がんが、それぞれ10〜20%ほどを占めることが分かっています。
転移性脳腫瘍の好発部位は?
2.転移性脳腫瘍のひろがり方(図1) 大脳皮質と灰白質の境界部分が好発部位といわれていますが、実際は頭蓋内のどこにでも生じます。 周囲の脳組織を圧排して大きくなっていきます。 腫瘍の影響で、その周囲の脳組織にむくみ(脳浮腫)を生じることが多く、腫瘍そのものよりも広範囲にわたって広がることも珍しくありません。
転移性脳腫瘍の生存率は?
以上のような治療をもってしても、転移性脳腫瘍の5年生存率は、単発例で約15%、多発例で約6%程度です。 平均生存期間は10か月程度と短く、極めて予後不良です。