急速な分娩進行、子宮収縮薬による過強陣痛、吸引分娩や鉗子分娩、クリステレル胎児 圧出法、交通外傷などにより起こることがある。 子宮破裂は突発的に起こり、速やかな児娩出や子宮摘出術など、迅速な診断と適切な治療 が求められる重要な産科救急疾患である。
子宮破裂の原因は?
原因として外傷性と自然に起こるものとに分類されます。 自然破裂:多産婦、狭骨盤、骨盤内腫瘍、軟産道の癩痕性狭窄、巨大児分娩、回旋異常や胎位異常分娩、子宮手術後(既往帝王切開や子宮筋腫核出術など)、癒着胎盤用手剥離、子宮内膜症、前置胎盤など。
子宮破裂の症状は?
子宮破裂の症状および徴候には,胎児徐脈,変動一過性徐脈,循環血液量減少の所見,胎児のstationが不明(内診で発見される),および重度または持続性の腹痛がある。 胎児が子宮から排出され腹腔内にある場合には,合併症発生率と死亡率が有意に高くなる。
子宮破裂のリスクは?
子宮破裂は、分娩時、まれに妊娠末期に起こる子宮の裂傷で、胎児死亡のみならず母体死亡にもいたる重篤な疾患である。 子宮破裂の発生頻度は、0.02~0.1%で、若干増加傾向にある。 子宮手術や帝王切開瘢痕などが誘因となるものと、分娩中、何らかの原因により胎児の進行が停止し収縮輪が上昇することで破裂にいたるものがある。
子宮破裂の治療は?
・非瘢痕子宮の完全破裂は,一般的に子宮摘出を選択することが多い. ・腟壁・頸管裂傷を伴わない子宮破裂は,腟上部摘出術で対応可能だが,子宮下部の裂傷が腟管まで及ぶ場合は,全摘術後に腹腔内と経腟的に双方向から,止血縫合を行うことがある.