骨粗しょう症は特に女性に多い病気で、患者さんの80%以上が女性といわれています。 女性ホルモンの一種であるエストロゲンは、骨の新陳代謝に際して骨吸収をゆるやかにして骨からカルシウムが溶けだすのを抑制する働きがあります。
なぜ女性は骨粗しょう症になりやすいのですか?
骨全体が弱っているため、一度折れた骨がなかなか元に戻らず、日常生活に支障をきたしたり寝たきりの原因になったりします。 つまり女性は、男性に比べて老化に伴う原因に加え、閉経ということでも骨粗しょう症になりやすいと言えます。 背中や腰が痛かったり、背中が丸くなったり身長が縮んだようであれば、早めに診察を受け、自分の骨の状態を知りましょう。
女性は50歳前後で骨粗しょう症になりやすくなりますか?
ところが、50歳前後になると女性は、閉経によってエストロゲンの分泌が急激に低下するため、閉経後10年ほどの間で、骨粗しょう症と診断される状態まで、骨の量が急激に低下し、骨粗しょう症(骨がもろくなり骨折しやすい状態)になりやすいことがわかっています。 特に女性は50歳以上で骨粗しょう症になる人が多くなります。 骨を丈夫にする食事や運動に気をつけるとともに、定期的に骨密度測定を受けて自分の骨チェックしておきましょう。
骨粗しょう症はいつ進行しますか?
動脈硬化症や骨粗しょう症もこの時期から少しずつ進行することが多いです。 骨はカルシウムの銀行とも呼ばれていて、体内のカルシウムの99%を貯蔵し、また血液中のカルシウムを一定に保っています。 一方、カルシウムは体内で合成できないので、食事から摂取したりその貯蔵を引き出して血液中のカルシウム濃度を一定にしようとします。 つまりカルシウムという預金をしたり引き出したりというバランスがとれているのが理想です。 そして女性ホルモンであるエストロゲンは、女性の骨からカルシウムが引き出されるのを防ぐという重要な役割をになっています。 ところが、40代以降、閉経が近づくにつれて、エストロゲンの分泌が低下します。 それと同時に骨からカルシウムがどんどん引き出され、もろくなっていきます。
骨粗鬆症はどのように診断されますか?
骨粗鬆症は圧倒的に女性、特に閉経後の女性に多くみられ、女性ホルモンの減少や老化と関わりが深いと考えられています。 診断はX線(レントゲン)検査でも可能です。 骨粗鬆症は予防が大切な病気です。 内服薬や注射(カルシトニン製剤)などによる治療を行います。 骨折した場合は、それに応じた治療が必要です。 閉経後の女性には、整形外科医の定期的な検診をお勧めします。