自然界にいる馬は蹄鉄を必要としない。 しかし、人為的な飼育管理下にある競走馬については、正しい歩様をさせるため、また少しでも走らせるために蹄鉄が必要となってくる。 即ち蹄鉄の目的は肢蹄の保護、蹄壁の摩耗防止、更により良い運動性を与えることにある。
馬蹄しないとどうなる?
蹄は十分な栄養がなければ、頑丈な角質組織として発達できない。 さらに、家畜動物は穀類やムラサキウマゴヤシ、牧草といったタンパク質に富んだ濃縮飼料を与えられることもあり、これに起因して蹄葉炎(ていようえん)を引き起こすといわれている。
落鉄は何故するのか?
落鉄について説明してもらえるかな。 [佐藤雅人装蹄師(以下、佐)]まず、そのよくある原因についてお話をしますと、左右どちらかで逆に蹄を踏んでしまったり、あるいは後肢で前肢を踏んでしまう、いわゆる追突などによるものがあります。 あとは、地下馬道などで壁を蹴っ飛ばして、後肢の蹄鉄が外れてしまったりということですかね。
削蹄 なぜ?
伸びすぎた蹄を削切することで、本来の蹄形を維持し、安定した立ち方と歩き方に改善し、余分なエネルギーの消耗を抑えます。 負重の偏りを防ぎ、苦痛を取り除き、蹄病の発生を抑えます。 蹄のポンプ作用が回復し、蹄内部の血液循環が活発化して、丈夫な蹄を作ります。
蹄鉄 どうなってる?
一般的に用いられている蹄鉄は鉄製ですが、競走馬は兼用鉄と呼ばれるアルミ製の蹄鉄をつけています。 かつてはレース用の勝負鉄と呼ばれるアルミ製のものと調教用の蹄鉄(アルミ・鉄どちらもある)を取り替えていましたが、今では兼用鉄といって調教でもレースでも使われています。