なぜ、湿潤状態のほうが創は早く治るのでしょうか。 それは、創部の滲出液には各種の細胞増殖因子が豊富に含まれているからです(表3)。 創面からの滲出液が除去されないで保持された湿潤環境下では、真皮側の線維芽細胞、コラーゲンの増生が起こり良性の肉芽組織が形成されていきます(図8)。
褥瘡 乾燥 なぜ?
皮膚では皮膚表面の脂肪や水分を保ついろいろな物質が減少し、皮膚表面の水分が保てなくなり、皮膚は乾燥し、かさかさした状態になります。 さらに、真皮の細胞や線維、皮下脂肪も減少し、皮膚の弾力性が低下し、皮膚の張りが無くなり、しわも増えてきます。 このため圧迫や摩擦・ずれなどの物理的刺激に対する抵抗力が低下します。
皮膚湿潤 なぜ?
●浸軟の原因と影響 皮膚湿潤は、多量の発汗、失禁によるおむつ内の高温多湿状態などが原因として挙げられます。 多汗は衣類の過剰な重ね着のほか、感染症など発熱性の疾患が考えられるので、全身状態を把握しておくことが大切です。 その他、体圧分散用具の使用により蒸れが生じる場合もあります。
褥瘡 食塩水 なぜ?
生理食塩水は体液と浸透圧が同じなので刺激が少なく、創洗浄時の痛みへの対処として有効です。
創部洗浄 なぜ?
洗浄の目的は、創表面に付着した細菌類の数を減らすことです。 わが国のガイドラインでは、「十分な量の生理食塩水または水道水を用いて洗浄する(推奨度C1)」となっています。