輸液の目的 輸液の目的には「水・電解質の補給」「栄養の補給」「血管の確保」「病態の治療」などがあります。 中でも最も重要なのは「水・電解質の補給」すなわち、体液を正常な状態に保つことです。
輸液が必要な場合はありますか?
端的にいうと 脱水状態にあって、自力での水分摂取が困難な人、および自力での水分摂取だけでは脱水状態が改善しない、と考えられる人 です。 輸液が必要な場合を下記に示してみます。 下痢が頻回で、憔悴している人。 高温あるいは高湿度での作業あるいは運動による脱水状態。 私たちのクリニックでは生理食塩水と3号輸液 (ブドウ糖:約25g/0.5L, ナトリウム:約1g/0.5L)を準備していますが、殆どの場合、生理食塩水で事足りています。 生理食塩水では浮腫や血液を酸性化する (アシドーシス)などの合併症が起こりえますが、500-1000mLを1回のみ投与する程度では、そのような合併症のリスクは考えなくてもいいでしょう。
輸液療法の目的はありますか?
治療のために行う輸液療法の目的は次の3つです。 患者さんに実施される輸液療法には必ず目的があるので、輸液の指示が出されたらどんな目的なのかを考えてみましょう。 ドクターから指示で出された輸液を指示通り投与することは看護師の役割ですが、何となく使用されている薬剤の種類を知らずに指示通り投与している人も多いと思います。 輸液製剤には目的に合わせた薬剤が入っており、 間違った輸液を投与してしまうと重大な症状を引き起こす危険性もある ため、最低限知識として知っておきましょう。 輸液の目的は先ほど紹介しましたが、臨床では 欠乏輸液と維持輸液がメインの輸液療法 になってきます。 それぞれの意味と目的をみていきましょう。
輸液製剤の投与時間はどのくらいかかりますか?
しかし、管を直接つなぐだけでは、輸液製剤は管を通ってあっという間に流出してしまいます。 患者さんによっては、 500mlの製剤を1時間で投与すべき人もいれば、12時間かけてゆっくり投与すべき人もいます 。 そこで、 速度のコントロールが必要になります 。
輸液製剤はどのように分類されますか?
輸液製剤を大きく分類すると以下の通りになります。 水分補給が目的で主に5%ブドウ糖液があり、細胞内外の水補給に適している。 水と電解質の補給を目的とした輸液製剤。 これらは等張液、低張液、高張液に分類され、成分と目的に合わせて選択される。