口から食べる機能が障害されると、一般的に水分やお茶、味噌汁のようなものが上手に飲めなくなります。 水のように粘度の低い液体は、動きが速く、誤って気管に入りやすいからです。 トロミをつけることで、動きのスピードがゆっくりになり、また、まとまりやすくなるため、スムーズに飲み込むことができます。
とろみ飲料 なぜ?
とろみにより食べ物や飲み物の粘度が増し、喉に送られる速さがゆっくりになると、嚥下反射に遅れがある人でも誤嚥しにくくなります。 つまり、とろみをつける目的は食べ物が喉へ入るスピードを遅らせることなのです。 また、とろみ剤によって飲み物や食べ物がまとまるので、飲み込みやすくなる効果もあります。
あんかけ とろみ なぜ?
でんぷんに水を加えて加熱すると、60度前後で急激に水を吸って膨らみ始め、粘度を増して糊状になります。 この現象を糊化といい、料理の液量に対してでんぷんの量が多いほど粘度は高くなります。 あんかけや汁物のような、たくさんの液量に少量のでんぷんを加えて加熱すれば、適度なとろみが出るのです。
老人とろみなぜ?
介護食でとろみが必要な理由は、誤嚥(ごえん)を防ぐためです。 誤嚥とは、加齢により飲み込む筋力が落ちてきたこと(嚥下障害)が原因で、食べ物や飲み物が誤って気管に入ってしまうことを言います。
水 誤嚥 なぜ?
ただ、水は口~喉の中で素早く動き、瞬時にばらばらになる性質を持っていますから、一瞬でも気道のフタを閉じるタイミングが遅れれば、簡単に誤嚥してしまうのです。