「痔ろう」は、直腸と肛門周囲の皮膚をつなぐトンネルができる痔のことです。 肛門周囲に膿がたまる「肛門周囲膿瘍(こうもんしゅういのうよう)」が進み、慢性化すると痔ろうになります。 痔ろうの主な原因は、下痢などによって肛門の組織に細菌が入り込むこととされています。
なぜ痔ろうになるのか?
痔瘻を発症する主な原因は、下痢などがきっかけで、お尻の周りに存在するくぼみに便が入ってしまうことです。 くぼみに入った便から細菌感染を起こして、肛門腺という部分に 膿 うみ がたまると、痔瘻を発症します。 やわらかい便はくぼみに入りやすいことから、下痢をしやすい方は、痔瘻を発症しやすいです。
痔は何科に行けばいいの?
基本的には痔の症状を認めれば、まず肛門科を受診することが最適です。
痔瘻になるとどうなる?
歯状線のくぼみ(肛門陰窩〈こうもんいんか〉)から細菌が入り込むと、肛門腺が化膿し、その炎症が肛門周囲に広がって膿(うみ)がたまります(肛門周囲膿瘍)。 これが自然に破れるか切開することにより、膿が排泄されます。 そのまま治る場合もありますが、多くは膿の管(瘻管〈ろうかん〉)が残った状態となり、これを「痔瘻」といいます。
痔ろう どのくらい?
時間をかけて少しずつ括約筋を切開していくことで、切開されたところは治っていきます。 そのため、括約筋の損傷が少なくて済むのです。 痔ろうができた場所によって異なりますが、3か月半から半年ほどかけて治療を行います。 場合によっては1年ほどかかるケースもあります。