筋萎縮性側索硬化症(ALS)とは、手足・のど・舌の筋肉や呼吸に必要な筋肉がだんだんやせて力がなくなっていく病気です。 しかし、筋肉そのものの病気ではなく、筋肉を動かし、かつ運動をつかさどる神経(運動ニューロン)だけが障害をうけます。
ALSの寿命は?
ALSは進行性の病気であり、症状が軽くなることはありません 。 平均生存期間は発症から2~5年程度であり、多くの場合は呼吸の筋肉の機能低下による呼吸不全が死因となります。 医療技術の進歩や栄養状態の改善により感染症も減ったため、近年では1年ほど寿命は長くなっています。
ALSの原因は?
ALSの発症には、さまざまな原因が考えられていますが、未だ結論は出ていません。 しかし、遺伝子異常、酸化ストレスやグルタミン酸過剰による神経障害といった原因説が提唱され、遺伝子研究をはじめとする基礎研究、そして治療薬の開発が目覚ましい進展を見せています。
ALSの前兆は?
最初は、箸が持ちにくい、重いものを持てない、手や足が上がらない、走りにくい、疲れやすい、手足の腫れ、筋肉のピクツキ、筋肉の痛みやつっぱりなどの自覚症状を感じます。 これはALSに特徴的な症状の一つで、手足の麻痺による運動障害の初期の症状です。 このような症状がみられるとともに、手や足の筋肉がやせ細ってきます。
ALSの痛みは?
ALSではしばしば疼痛が生じ、特に進行期には動けないことや圧迫に伴う耐え難い痛みを経験します。 体位変換やマッサージのほか、消炎鎮痛薬を使用します。 程度が強い場合には、モルヒネなどのオピオイド鎮痛薬を使用します。